Case: 右主気管支腫瘍

姫路 大輔 先生
宮崎県立宮崎病院
内視鏡センター・内科・医療情報科
使用スコープ: BF-H1200
症例: 右主気管支入口部への転移性腫瘍(原発巣:乳癌)
部位: 気管下部〜気管分岐部
患者情報: 50歳代女性
既往歴: 11年前診断の右乳癌に対して乳房切除術を施行された。術後8年後肺転移再発をきたし、右下葉切除を施行されている。その後各種化学療法を施行されていたが、今回評価目的の胸部CTで右主気管支に腫瘍を疑われ、当科紹介された。
症例動画
WLIでの観察と比べ、TXIでは腫瘍表面の血管の性状、分布、縦走襞の性状が強調されています。そのため腫瘍の気管支壁浸潤の程度を検討しやすい画像となっています。また、本動画では気管支インターベンションの画像も含まれますが、RDIモードで、腫瘍からの出血部位がわかりやすくなっており、その部分にAPC焼灼を追加し、止血していることがわかります。
病理診断
転移性肺癌(乳癌)の診断
腫瘍細胞は巣状〜充実性シート状に存在し、一部は乳頭状の増殖も示している。分裂像もしばしば観察される。また、腫瘍細胞はHER2陽性であり、乳癌の肺転移(気管支転移)と考えられる。
総括コメント
インターベンションの方針を検討するため、気管支鏡検査を施行した。WLI画像の画質は極めて鮮明であった。またWLIでの観察に比べ、TXIは血管の性状、縦走襞の走行、肥厚が強調され、病変の性状、浸潤範囲を把握しやすかった。右主気管支の閉塞を防ぐため、硬性鏡下に腫瘍切除を行ったが、活動性出血の部位がRDIでより鮮明になった。
共同編者
宮崎県立宮崎病院 内科
田中 弦一 先生、松本 亮一 先生、椎葉 律哉 先生
宮崎県立宮崎病院 外科
別府 樹一郎 先生、尾立 西市 先生
宮崎県立宮崎病院 病理診断科
丸塚 浩助 先生、阿萬 紫 先生
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