Case: 左下葉肺癌

姫路 大輔 先生
宮崎県立宮崎病院
内視鏡センター・内科・医療情報科
使用スコープ: BF-H1200
症例: 左下葉入口部腫瘍
部位: 左主気管支
患者情報: 70歳代女性
既往歴: 3ヶ月持続する労作時呼吸困難、喘鳴を主訴に近医受診。胸部CTで左S6に気道を圧排する腫瘤を指摘された。診断のため気管支鏡検査を施行され、その結果、扁平上皮癌の診断を得た。手術目的に当科紹介となった。切除可能かどうかの検討のため、気管支鏡検査をおこなった。
症例動画
WLIでの観察と比べ、TXIでは腫瘍表面の血管の性状、分布、縦走襞の性状が強調されています。そのため腫瘍の気管支壁浸潤の程度を検討しやすい画像となっています。
病理診断
肺扁平上皮癌(切除標本所見)
切除標本所見。腫瘍細胞は多様なサイズと形態でシート状あるいは巣状に増殖しており、壊死が散見される。腫瘍細胞は短紡錘形から大型の多角形の細胞質、および多形の核を有する。腫瘍は気管支軟骨、およびリンパ節に浸潤している。
総括コメント
切除可能性を検討するため、気管支鏡検査を施行した。WLI画像の画質は極めて鮮明であった。またWLIでの観察に比べ、TXIは血管の性状、縦走襞の走行、肥厚が強調され、病変の性状、浸潤範囲を把握しやすかった。最終的に手術可能と判断し、左下葉スリーブ切除術+縦隔リンパ節郭清術が行われ、切除断端は陰性であった。
共同編者
宮崎県立宮崎病院 内科
田中 弦一 先生、松本 亮一 先生、椎葉 律哉 先生
宮崎県立宮崎病院 外科
別府 樹一郎 先生、尾立 西市 先生
宮崎県立宮崎病院 病理診断科
丸塚 浩助 先生、阿萬 紫 先生
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