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Case: 右主気管支腫瘤

石井 聡 先生

帝京大学医学部内科学講座

呼吸器・アレルギー学

症例情報


使用スコープ:BF-H1200
部位:右主気管支
患者情報:80歳代男性
既往歴:2週間前からの血痰を認め、右肺門部肺癌を疑い当科入院する。

CT所見

右主気管支に内腔を埋める腫瘤を認め下肺野には腫瘤,胸水貯留も認める。

1.右主気管支腫瘤全景(WLI)

右主気管支が腫瘤と壊死物質で閉塞しかかっている所見を認める。WLIだけでは腫瘤と壊死物質の境界がわかりにくい。

2. 右主気管支腫瘤全景(TXI1)

TXI1では腫瘤表面の異常血管がわかりやすく、壊死物質との境界がわかりやすかった。

3. 右主気管支腫瘤全景(TXI2)

TXI2でも腫瘤表面の異常血管がわかりやすい。色調は白色光に近い色味となっている。

4. 右主気管支腫瘤全景(NBI) 

NBIでも腫瘤表面の異常血管はわかりやすかった。

症例動画

病理診断

肺扁平上皮癌 類円形の腫大核と好酸性~淡明な胞体を持った腫瘍細胞が不整な充実性構造をとって増殖している。層状文化及び角化傾向が認められ、扁平上皮癌の像である。

全体コメント

肺癌診断においてPD-L1などの検査を提出する必要がある。しかし経気管支生検(transbronchial biopsy:TBB) を行う症例(特に中枢にある腫瘤)は出血に注意が必要である。限られた生検回数で十分量の組織を採取する必要があり、壊死組織ではなく腫瘤部位を採取する必要がある。TXIは腫瘤と壊死物質の境界が明瞭にわかり、正確な診断・安全性の面からも有用である。

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