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より安全・確実な内視鏡治療のためのヒアルロン酸溶液(以下、「HA溶液」)を用いた局注

図7:内視鏡用粘膜下注入材HA溶液(a)
        による粘膜隆起

 

( 線維化病変(b-1:局注前、b-2:局注後)

内視鏡用粘膜下注入材のHA溶液(7a)を使用することは、局注手技で求める十分な粘膜隆起の担保に繋がります。(図7b)。また、EMRやハイブリッドESDにおいても(図7c)、生理食塩液と比べて高い隆起を形成することで切除マージンを大きく確保できるうえ、筋層をつかむリスクを抑えることができます。

 

隆起も維持されやすく局注からスネアリングまでの時間的な「貯金」を得ることができるため、初学者でも切除範囲がしぼむ前に手技を完遂することが可能です。そのため、これらの手技を安全・確実に完遂するための手段として、HA溶液を使用することは有用だと考えています。

 

図7:(c)ハイブリッドESD症例

 

(c-1) 全周切開後
(c-2) スネアリング
(c-3) 切除後の潰瘍底。
       十分な切除マージンを確保できている

近年は送水機能付きESDデバイスが登場し、特に剝離中の追加局注は生理食塩液をデバイスから直接粘膜下層に送水して行うことも可能となっています。

 

しかし、高さのある粘膜隆起をしっかり保持したい場面や、先にも述べている線維化症例では、たとえ処置具交換などの手間がかかっても、HA溶液や、膨隆形状を針先コントロールでデザインできる局注針を活用した局注が欠かせないと考えます。