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Case: 左下葉肺癌

石井 聡 先生

帝京大学医学部内科学講座

呼吸器・アレルギー学

症例情報


使用スコープ:BF-H290
部位:左下葉B9,B10
患者情報:70歳代男性
既往歴:自覚症状なし。検診にて胸部異常陰影を指摘され当科受診となる。

CT所見

左下葉 B9,10に内腔を埋める腫瘤を認め下肺野には腫瘤影を認める。

1.左下葉腫瘤全景(WLI)

左側がB8。B8に内腔はみえるがB9,10を腫瘤で閉塞している。下葉全体の上皮に浮腫を認める。

2. 左下葉腫瘤全景(TXI1)

TXI1では腫瘤表面の異常血管・凹凸も認識しやすくなっている。また下葉全体の上皮の異常血管も認識しやすい。

3. 左下葉腫瘤全景(TXI2)

TXI2ではTXI1と同じように異常血管・凹凸がわかりやすい。色調は白色光に近い色味となっている。

4. 左下葉腫瘤全景(NBI)

NBIでも腫瘤表面の異常血管は認識できるがTXI1のがより鮮明にわかる。下葉全体の上皮の異常血管も同様にTXI1の方が鮮明にわかる。

5. 左下葉腫瘤全景(RDI1)

RDIでは深部血管を認めず、生検をしても大出血の心配はないと判断した。

症例動画

病理診断

肺扁平上皮癌 腫瘍細胞はシート状に増生し、わずかに角化を伴う充実性胞巣を形成する。

 

全体コメント

自覚症状もなく、腫瘍マーカーも正常であった。放射線読影の段階では腫瘍か炎症かの鑑別は困難であった。気管支鏡内腔所見は離れた位置から吸引しただけでも容易に出血を認めた。WLIでも腫瘤表面に血管を認めた。異常血管の同定はNBIよりもTXI1の方が鮮明にわかる印象を受けた。

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