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はじめに

本冊子は、2006年に発刊された「超音波内視鏡下穿刺術のためのコンベックス型超音波内視鏡による標準的描出法」の改訂第二版として作成されました。初版の出版当時は、コンベックス走査式EUSの認知度はまだまだ低く、EUS-FNAを行うための特殊なEUS機器という認識が強かったように思います。しかしながら、EUS-FNAが2010年に保険収載された頃を境にコンベックス走査式EUSは急速に普及し始め、それとともに、コンベックス走査式EUSによる胆膵スクリーニングも広く認知されるに至りました。初版作成当時を追想すると隔世の感があります。
 初版の冊子はコンベックス走査式EUSのバイブルとして広く親しまれてきましたが、初版から10年が経過する中で、さまざまな走査の工夫も積み重ねられ、また、近年のEUS関連機器の進歩も相まって、Interventional EUSの技術は急速に発展しました。このような時代背景に鑑み、コンベックス走査式EUSの標準的手技を見直そうという機運が高まり、2017年7月に新たな「コンベックス走査式超音波内視鏡描出法標準化検討部会」が組織されました。その後、1年半ほどの時間をかけて多くの議論を重ね、このたび第二版発刊の運びとなりました。今回の改訂における主なポイントは、1)従来の走査法の刷新、新たな走査法の追加(経胃走査における従来の「大動脈ルート」に加えて「門脈ルート」を提示)、2)記述内容に動画をリンクさせることによる学習効率の向上、3)詳細に説明すべき内容は「コラム」として掲載、4)イラストの全面改訂、5)機器進歩の理解を深めるための「機器解説」を掲載、の5点です。
 コンベックス走査式EUSを用いた診断・治療に際しては、その予習・復習として冊子本体ならびに本冊子にリンクしている動画を是非お役立てください。特にリンク動画では、標準的EUS走査法がアニメーション動画によって解説されていますので、理解がより一層深まります。本冊子が全てのEndosonographerにとっての新たなバイブル、そして必携の書となれば、部会員一同にとってこの上ない喜びです。

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コンベックス走査式超音波内視鏡描出法標準化検討部会
Japanese Committee – Standard Imaging Technique of convex EUS

2019年3月

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