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はじめに

 超音波内視鏡(EUS)は1982年に実用化されて以来着実に普及が進み、1990年代には既にその診断的有用性が広く認識されていました。しかしその一方で、特に膵・胆道領域においては手技的難易度の高さから十分に使いこなせる内視鏡医は当時まだ少なく、広く活用されているとは言い難い状況でした。こうした状況のなかで、EUS初学者や修得に行き詰まりを感じていた先生方に向けて、2003年「超音波内視鏡による膵・胆道領域の標準的描出法」が発刊されました。これは文字通りEUS(ラジアル走査式)を用いて膵・胆道領域を観察する際の描出法を系統的に解説したものであり、以降現在に至るまでラジアル走査式EUSの修得を目指す先生方にとってのバイブルとして重用されてきました。しかし発刊後すでに17年以上が経過し、この間メカニカルラジアルから電子ラジアルへの移行をはじめとした機器の進歩やEUSの世代・地域を越えた広がりによる描出手技の多様化などが相まって冊子の改訂を求める声が高まってまいりました。これを受けて2019年1月に「ラジアル走査式超音波内視鏡描出法標準化検討部会」が発足し、その後1年余りの改訂作業を経て、今回「第2版ラジアル走査式超音波内視鏡による膵・胆道領域の標準的描出法」が満を持して発刊の運びとなりました。本改訂版においては、超音波画像を最新機器のものに差し替え、シェーマも刷新しましたが、何よりも今回の改訂の最大のポイントは、様々な流派の描出法がある中で、最大公約数的に描出法を1本にまとめたことであり、手技のバリエーションについては別途解説を加える形で残しました。また、各部位における走査については動画をリンクして理解を高めるとともに、描出の際のコツや描出に役立つ知識についてはPointやTips、Columnとして取り上げました。

 

   スコープ操作上の詳細な解説

 

   知っておくと良いコツや工夫

 

  基本知識や参考情報

 

 

EUSについては、現在コンベックス走査式とラジアル走査式が混在している状況ですが、それぞれに長所と短所があることから、先に改訂された「第2版超音波内視鏡下穿刺術のためのコンベックス走査式超音波内視鏡による標準的描出法」とともに本冊子を活用していただき、EUSの習得を目指す先生方の助けとなればこの上ない喜びです。

 

2020年3月

ラジアル走査式超音波内視鏡描出法標準化検討部会

Japanese Committee – Standard Imaging Technique of radial EUS

JC-SITE

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