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準備

■ 実施場所

無菌操作に十分配慮すれば通常の内視鏡室あるいは病棟処置室などで実施可能である。(写真1)

■ 胸腔鏡

局所麻酔下では肺の容積のコントロールができず観察範囲が制限されるので、硬性鏡より先端のフレキシブルな硬性胸腔鏡が使いやすい(写真2)。ビデオ胸腔鏡が視野も明るく観察しやすい。

■ 必要物品

検査に必要な主な器材を示す。(消毒や麻酔に必要なものは省略してある。)
・パルスオキシメーター、血圧計、心電図モニター
・内視鏡システム(カメラ、光源、モニター、画像記録装置)
・体外超音波診断装置・酸素・吸引器
・高周波機器、(必要があれば)電気メス

滅菌器材

・小開胸セット(縫合セット含む)
・ガーゼ・滅菌ドレープ・胸腔鏡と付属品(写真2)
・フレキシブルトロッカー(写真3)・生検鉗子
・トロッカーカテーテル(20-28Fr.)
・吸引チューブ・術衣一式

 

写真1. 検査場所

写真2. 胸腔鏡
先端部の湾曲機構により、広い視野が得られる。気管支鏡システムと互換性があるため、内視鏡室での検査も可能である。

■ 術者の準備

通常スタッフは術者、助手、外回り2名の計4名で実施している。通常の外科手術と同様に術者と助手は手洗いを行い、滅菌手術衣、滅菌手袋、マスク、帽子を着用して行なう。

■ システムのセットアップ(レイアウト)

モニターの位置は術者と助手が見やすいように、患者の頭側に配置する。器械台は術者あるいは助手に近い位置に置く(図1、写真4)

■ 体位

通常、健側を下にした側臥位で行う。この体位が胸腔内を前方、後方とも最も広範に観察しうる。側臥位が取れない患者では、マットなどを用いて体を傾けできるだけ側臥位に近い体位をとる。検査の間、患者は同じ姿勢を維持しなければならないため、患者にとって長時間苦痛でない体位且つ検査の妨げとならない体位をとる必要がある。高めの枕を使い、さらに大き目のクッションを抱かせることで患側の腕が体前面方向にまっすぐのびるようにし、体位を安定させる。また、肋間が狭い場合は患者の下に枕を入れて肋骨を広げると良い。

写真3. フレキシブルトロッカー
フレキシブルな挿入部は、肋間の刺激を軽減するとともに、胸腔鏡の先端湾曲部を保護する。
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